2017年8月5日土曜日

四日間の奇跡/朝倉卓弥

「もしかして…私たち…」
「身体が…」
「「入れ替わってるーーー!?」」
…的な話だったような、そうでもないような。

 

主人公の如月敬輔は実力ある若手ピアニストであったが、留学先で強盗事件に巻き込まれた少女・楠本千織をかばって薬指を失う。
自身のピアニストとしての将来を閉ざされた敬輔だが、千織のサヴァン症候群によるピアノの才能を見出し、彼女と共に各地を演奏して訪問する生活を送る。
ある日敬輔は、高校時代の後輩・岩村真理子が勤める療養センターに訪れることになった。
千織は演奏の後、真理子と共にセンターの周辺を散歩していた所、突然の落雷による事故に巻き込まれてしまう。
千織をかばって重傷を負い、意識不明となった真理子。
だがその真理子の心は、なんと千織の体に宿っていた。
眠り続ける自分の体を目の前にしながら、真梨子は敬輔と共に自分の人生の意味を見出していくこととなる。

サヴァン症候群というのは知的・発達障害を持った人に時折現れるもので、ある特定の分野について並外れて優れた能力を発揮することを指す。
実は僕の勤めている職場にもこれに該当する方がいて、カレンダー計算に常人をはるかに超える能力を発揮されます。
適当に、今から遠く離れた日付(月単位ではなく、年単位。何百年前などでも可)の曜日について、正確に即答することができるのです。

話を作品に戻します。
真理子を演じるのは、今も年齢を全く感じさせない美しさで話題の石田ゆり子さんです。
周囲の反対を押し切って大学の先輩と結婚したものの、子どもが出来なかった為に離婚することになってしまった過去がある、という役どころでした。
知的障害を持つ少女・千織を演じたのは、尾高杏奈さんという方です。
ハンディキャップを持つ少女と、体に乗り移った大人の女性とを見事に演じ分けておられました。
何で奇跡が四日間と決まっていて、千織に宿った真理子もそれをどうして予見していたのかははっきりしませんでしたが、その四日間で真理子が自分の生きてきた意味を見つけていく過程を、少女と大人の女性がバトンをつなぎながら演じていきました。

当たり前のようになっている毎日の中にも、自分の生きている意味を確かに見つけることができるのだな、と思うことができました。



 

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