2021年3月3日水曜日

今ある道をより良くしていくのも、新しい道。

2回連続、バチバチにソフトテニスの話です。

先日、「ソフトテニスのプロとして生きる人。」という記事を書きました。大阪のルーセントクラブさんで開催された芳村玲プロの講習会を見学し、それを記事にしたものです。ありがたいことに、芳村玲プロご本人や株式会社ルーセントの此下取締役にもお読みいただき、細々とやっているこのブログにしては文字通り桁違いのアクセスをいただきました。



さて、このようにソフトテニスのプロ化も進む中、3月になり卒業シーズンです。私の身の回りでも小学校・中学校・高校をこの春に卒業する人がいます。改めまして、皆様おめでとうございます。
卒業するということは、その先に進路があります。先日、うちのジュニアクラブのコーチで話をしているときに「ソフトテニスに関わる仕事をしたいと思ったとき、昔は教員という選択肢がもっと比重が大きかった」という話がありました。確かに、中学校や高校の教員になってソフトテニス部の顧問を受け持てば、仕事としてソフトテニスに関わり続けることはできます。ですが、昨今のブラック部活問題や教員の働き方改革などの流れもあり、部活動の顧問=ソフトテニスの指導者として活躍できる場所、というイメージは少しずつ変わってきているように感じます。
まずこのことの善悪は置いておき、僕なりに考えた事を、今の考えを書き残しておきたいと思います。「今の考え」というのは、明日明後日、来週、来月、来年…いずれ考え方が変わる、世の中の情勢が変わることは往々にしてあるからです。

学校の先生のお仕事


僕は教員として働いたことがないので知っている範囲やイメージで話をします。部活動の顧問をすることがある、ということを考えたときに、中学校や高校の先生であることを前提とします。
教員の仕事は、まずは自分の担当する科目について授業をしたり授業の計画を立てたり生徒からの提出物をチェックしたり、定期テストが近づいていれば問題を作成したり。担任を持っていれば教科に関わらず受け持つクラスの生徒について日々の記録を残したりするなど、これだけでも結構な業務だと思います。当然、授業をしている最中には事務的な作業はできないでしょうから、授業をしている以外の事務作業は空いている時間やその日の授業がすべて終わった放課後に行うことになるでしょう。しかし、日々の放課後には部活動があります。ここで部活動の顧問を受け持っていたら、まぁ毎日ベタ付きで部活動の場に居続けなければならないこともないでしょうが、それでもある程度顔を出さなければいけない。大会が近かったり、新入生が多い時期などは部活動に対する比重も大きくなるでしょう。そうなると当然、事務作業に割く時間は後ろ倒しになっていきます。結果、勤務時間は長くなりがち、というのがなんとなく想像できる構図ではないかと思います。

働き方改革


先に述べたように、大会が近くなれば部活動に時間を割く比重は大きくなることが予想できます。放課後のことはもちろん、授業が休みの土日にも部活動の時間は設けられます。土日の部活動こそ、顧問の先生は現場に来なくてはならないでしょう。生徒の部活動の為に土日も現場に足を運ぶ、というのは以前は当然のことだったのだと思います。しかし、教員の働き方にも様々な価値観がある時代です。教員でなくても、残業や休日出勤が過剰にならないようにしていこうという風潮の中、当然学校の先生もその対象になってきます。
そのために、学校部活動の現場にその種目に特化した外部指導員・コーチを入れていこうという動きが出てきます。なるほど!部活動の指導を外部委託すれば教員の業務負担が減る!万事解決!…とはならないのが現実で。そこには責任の所在とか外部指導員の人員問題、予算の問題などいろいろありますが、この場で取り上げたいのはそういうことではなく。
以前、僕より年下で中学校の教員をしながらソフトテニス部の顧問をしている人がこんなことを言っていました。「私たち顧問がいるのに、外部コーチが当たり前になったら、私たちは何のためにいるの?と思ってしまいます」と。

ソフトテニス部の顧問がしたい先生たち


教員の皆さんが、教員を志した理由はそれぞれだと思います。お世話になった先生にあこがれて教員になった人、親が教員だったから同じ道を歩み始めた人。その中に一定数、ソフトテニス部の顧問をしたいから教員になった人もいるんじゃないんでしょうか。その人たちからソフトテニスの指導に関わる機会を奪うのだとしたら、それは望ましい働き方改革とは言えない気がします。
片や、学校の先生をしたい、という人も一定数いるはずです。あくまで学校の先生として生徒たちに関わる仕事がしたいのであって、ソフトテニスの技術指導は(できる、できないにかかわらず)そこまで比重が大きくない人。そんな人には、外部コーチの存在は上手く手を取り合っていければ心強い存在になると思います。
そもそも、部活動とは昔は教育の一部で良かったのだと思います。今でもそうだとは思いますが、昔と比べてスポーツクラブとしての色合いが強くなっているのではないか。部活動=学校教育の一部という部分が大きく変わってきている。それは良いこと悪いことという話ではなく、価値観の移り変わりだと思います。

線引きをし、役割を明確にし、兼任を認める


そんな中で僕が思ったのは、やはり教員という仕事と、部活動顧問という仕事と、技術指導者というものは分けて考えるべきなんじゃないか、ということです。これらすべてを兼任したい人は、兼任したら良い。教員として部活動顧問はできるが、技術的指導の部分を外部に任せたいという人は、そうすれば良い。そもそも顧問という部分からしっかり責任をもってできる人にお願いしたいという人は、そのようにすれば良い。
部活動顧問が学校教育の、いわば聖域的扱いの内側にあるものという現状を打破してみてはどうだろう。責任持ってそこを全うする人には、それ相応の対価を支払って担ってもらうシステムにしたらどうか。もう一つ、公立学校の教員は副業が禁止されていますが、これもそろそろ取っ払ってみては。そうすれば、教員という仕事をしながらもっともっとソフトテニスの指導現場に立ちたいという人の望みもかなえられると思うのですが。

僕はなんとでも言える


賛否両論ありき、また、何もわからん奴がいい加減なこと言ってんじゃねぇ!というのはあると思います。が、何もわからんから好き放題言えるのです笑
ただ一つ、間違いなく現状はまだまだ硬直しています。仕事としてソフトテニスに関わり続けたい!というキャリアのイメージの一つとして、教員という道がもっと選びやすく柔軟なものであっても良いのではないかなと、外から見ていて思うのです。

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